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ファビハルタ®の治療を受けるC3腎症の患者さんとご家族の方へ

大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授
猪阪 善隆 先生

血清クレアチニン

血液検査によって調べます。クレアチニンは体内でできる老廃物のひとつで、体にとって不要な物質であるため、腎機能が正常であれば血液中から取り除かれ、尿として体外へ排出されます。
しかし、腎機能が低下すると体外へ排出されず、血中のクレアチニンの濃度が高くなります。

血清クレアチニンの正常値[1]

男性 0.65〜1.07 mg/dL
女性 0.46〜0.79 mg/dL

※ 施設によって異なる基準値が使用される場合があります。

イメージ図:正常状態と腎機能低下状態

eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate:推算糸球体ろ過量)

eGFRは糸球体ろ過量を示す値で、糸球体が血液をどれだけ、ろ過できているのかを推定値として表します。eGFRは、健常な方では100(mL/分/1.73m2)程度ですので、もしeGFRが60(mL/分/1.73m2)であれば、正常と比べて腎機能のはたらきが60%に低下しているということになります。

尿たんぱく

尿検査によって調べます。尿にはさまざまな老廃物が含まれていますが、たんぱく質は体に必要な物質であるため、通常、尿として排出されることはほとんどなく、健康な尿に含まれるたんぱく質量は、1日あたり150 mg未満です[2]。しかし、糸球体が障害されると、尿中にたんぱく質が漏れ出てくるようになります。
試験紙を使った尿たんぱくの検査では、15 mg/dLの場合を「±」、「-」はそれ未満、超える場合は程度に応じて「1+」「2+」「3+」「4+」で表されます。検査時や検査前の体調、運動量、ストレス、食事などの影響を受けやすいため、解釈には注意が必要ですが、慢性的に「±」以上が続くようであれば糸球体の障害が疑われます。

血尿(尿潜血)

尿に血が混じることを目でみて判断できる「肉眼的血尿」と、目でみて尿の色の変化はわからないものの、尿検査で血が混じっている状態の「顕微鏡的血尿」があります。血尿の検査では、尿の試験紙に対する反応性から「-」「±」「1+」「2+」などで表します。「1+」以上を陽性として、陽性の場合は顕微鏡を用いて尿中の赤血球数を数えます[3]

イメージ図:尿の異常(血尿・尿たんぱく) 正常な腎臓・目の細かい“ふるい”は血液やたんぱく質を逃しません。 腎炎を起こしている腎臓・目の粗くなった“ふるい”からはたんぱく質や血液が逃げていきます。
  1. 矢冨裕, 山田俊幸 監修. 今日の臨床検査2023-2024. 南江堂, 2023

  2. 一般社団法人 日本腎臓学会 腎臓の病気について調べる 2.腎臓検診でわかることhttps://jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms02.php (2025年3月閲覧)

  3. 血尿診断ガイドライン検討委員会. 血尿診断ガイドライン 2006. p5