ファビハルタ®の治療を受けるC3腎症の患者さんとご家族の方へ

大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授
猪阪 善隆 先生

C3腎症は、免疫のしくみのひとつである「補体」の異常が関与する病気です。
補体には細菌やウイルスなどの異物から体を守る役割があります。
正常な人では、この補体の活動が抑えられており、感染や異物がないときなどは、必要以上に活性化しないように抑制する機能が備わっています。
C3腎症ではこの機能が過剰にはたらいてしまうことで、“C3”という補体たんぱく質などが腎臓で“ふるい”の役割を果たす糸球体に沈着する結果、糸球体の炎症を引き起こしていると考えられています。炎症が続くと、腎臓は障害を受けて腎機能が低下していきます。

イメージ図: 正常な腎臓・腎臓は糸球体のはたらきにより、血液をろ過して不要な成分を除去しています。補体は、正常時には、必要以上に活性化しないように制御されています。 C3腎症の腎臓・C3腎症では、補体が過剰にはたらいています。このため、血液が腎臓に流れる際、C3という補体たんぱく質などが糸球体に沈着し、蓄積していきます。この蓄積が、炎症を引き起こし、腎機能を低下させます。